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Stuff live at Montreux 1976

Stuffの1976年モントルージャズフェスのDVDが出たのはご存じですよね?僕はこの何年か後、中学生と高校生の頃に2回、それぞれ大阪厚生年金会館とフェスティバルホールに見に行きました。その時のショックをこのDVDを見て思い出し、もう感無量で泣きそうになりました。忘れていたなぁ・・・あのショックを。完璧に思い出しましたよ。初心忘るべからずなのに・・・いやぁ、1976年。みんな若かった。そしてべらぼうに上手い。でもただ上手いだけじゃない。

ゴードン・エドワーズがバンマス。バンマスは、極太のプレベ&フラットワウンド・サウンドでバンドのグルーブのボトムを支える。この76年は身体が細い。細いといってもアスリートのようなでかい身体。プレベが小さく見えるもんなぁ・・・このモントルーではキレキレですね。そしてドラムはスティーブ・ガッド。クリス・パーカーはスケジュールが合わなかったのか、セッションで多忙だったのか、ツアーには参加断ったのか、この時はワンドラム。一年ちょい前に中野サンプラザで実物と共演しましたが、この76年のガッドと今のガッドは、ある意味変わってない、ある意味全然変わった、と思う。すでに出来上がっていた才能にさらに磨きがかかったといいうのか、こんな風に歳を重ねられたら本望だなぁ・・と思う。絶対に無理だろうけど。ギターは、コーネル・デュプリーとエリック・ゲイル。当時のR&Bのレコードを聴くと、ほとんどのクレジットでこのどちらかのギタリストの名前を見ることができる。リズムはパーフェクト、ソロはまるで歌、カッティングはキレがありながらも柔らかい。エリックは、浅野さんを思い出す・・・両氏とももう生演奏は聴けない・・・尚更感無量だ・・・デュプリーは愛聴盤「ダニハザライブ」の数百万倍弾いていて、アンコール前での眼鏡なしの顔は初めて見たかも。そしてリチャード・ティー・・・この後のStuffの演奏とはまるで違う。もっとベーシックなことをやろうとしている。この後日本に来る頃にはキレキレになっていくんだけどね。それにしてもこんなピアノは後にも先にも世界にただひとつ。誰も真似できないアンタッチャブルな世界。泣くよ、何だか。思い出す、初めて見たあの頃を。凄すぎる。モントルーのYAMAHAがあのタッチに悲鳴をあげて、調律が狂っていくのがよくわかる。本人気にもしてない。く〜!!最高!!

これを世間ではフュージョンというけど、これは僕にとっては全然フュージョンではないかな。これはどこをきってもR&Bだ。リズム&ブルース。もちろんいろんな音楽のミクスチャーなんだけど、極めて個性的なインストゥルメンタルR&Bなんだと思う。この人達のルーツをこの人達流にやれば、世界にひとつしかないサウンドになる。それは結果として当時の最先端をいくサウンドとなっていた。そういう精神そのものが好きだ。かっこいい。いい時代だったね・・・
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